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zoom RSS 茶と剣(4)

<<   作成日時 : 2017/02/14 06:25   >>

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(写真は 文久遣欧使節団 wiki)

茶と剣(4)

茶の話から大いに逸れたので、ついでに幕末の様相をもう少し書き足すことにしよう。

文久元年(1961)、
英国公使オールコックのはからいで、
修好通商条約の内容を変更すべく派遣された遣欧使節について眺めてみよう。

そのころの幕末日本は、西欧列強の度重なる要求に対して、
攘夷と開国、勤皇と佐幕、譜代と外様、
それに加えて一橋派と南紀派の将軍継嗣問題が発生し、
多数の対立軸をはらんで世相は混乱を極めていた。

日本は列強の何にうろたえたか。
それは蒸気戦艦と大砲である。

嘉永六年(1853)、ペリー来航のとき、
蒸気船ミシシッピー号が江戸湾の深くまで入った。

それは江戸湾の深度を測量し、蒸気戦艦の侵入可能性を探るためである。
どこまで侵入できるかが分かれば、江戸の砲撃可能範囲が確定する。
幕府は震え上がった。

文久四年(1864)、
英仏蘭米四国連合艦隊が長州藩の砲台をたちまち破壊したことを見れば、
彼我の砲力差は明らかである。
日本の砲は敵艦に届かないのだから、
戦闘は連合艦隊の一方的な勝利に終わった。

そのような列強の圧力のもとで、
文久遣欧使節団は条約にうたわれた開港時期の延期を交渉しようとしていた。
フランスとの交渉は不首尾に終わったが、
英・蘭・普とは開港の五年間延期の覚書を締結することができた。

その使節団が、西洋を驚かせたことがある。
それは、ニル・アドミラリ。

当時の英国新聞を見てみよう。

「しかし、この日の最もセンセーショナルな出来事は日本使節団が到着したことであった。
 非常に目立った人物は、大君の使節で、
 そのいずれも、「ノ・カミ」という
 驚くべき姓をもっているようであつた。
 それは多分、卿、サー、エスクワイアに相当する尊称なのであろう。

 もちろん、日本人は中国人にそつくりだが、
 日本人のほうが遥かに威厳があり、遥かに正直そうに見える。

 日本人の表情は生真面目だが陰気ではなく、
 知的ではあるが狡さがない。

ニヤニヤしたりお喋りをしたりせず、
 近くにいる者を指で差したり、絨毯の隅をめくつたりはしない。

 遠くの異国からやってきた使節の非常に多くの者がそうしたのを、
 われわれは見たものだが。

 日本人使節は開会式を、終始、冷静で、礼儀正しくて、
 うやうやしく、かつ威厳のある態度で見守り、
 互いに何度も言葉を交わしていたことからわかるように
 周囲に強い関心を示したが、
 下品な好奇心をあらわにすることは卑しんだ。

 彼らは、眼前で展開される華麗なドラマを、
 落ち着いて、目立たぬように注目していた。

 あたかも、こんなふうな考えが心をよぎりつつあるかのように。

 『われわれにも自分たち自身の文明がある。
  古くて、巧微で、素晴らしい文明が。
  われわれの社会構造の、
  幾分錆びついてしまった部分をなんとかするうえのヒントを
  東洋に持ち帰ることができないかどうか見てみよう。

  将来、西洋が、
  誇りが高すぎてわれわれからなにかのヒントを得ることを
  拒否する、などということがなくなる時代が来るかもしれない』」
(5/2 英 リヴァプール・マーキュリー紙)

「日本使節はもちろん、計り知れぬ好奇心の対象であった。
 彼らの衣服は簡素で、色は地味だが、生地は素晴らしい。
 彼らは刀を二振り腰に差していたが、
 それは、彼らの国では貴族の最高の印である。
 この風変わりな国の国民の主な特徴の一つは
 ニル・アドミラリだとわれわれは教えられているが、
 その特徴が二人の年配の使節の、きわめて特異な態度に現れていた。

 欧州の最も世慣れた外交官でさえ、
 その二人の使節が左右に目もくれずに中央通路を歩いて行った際の、
 なにごとにも無関心な様子を凌ぐことはできなかったであろう」
(5/3 英 リヴァプール・クロニクル紙)

東日本大震災で見せた日本民衆の高貴な姿は世界を驚かせたが、
今から150年前にすでに日本人は西洋の尊敬を勝ち得ていたのである。

つづきはまたあした。

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