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<<   作成日時 : 2009/04/16 07:30   >>

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使節団の目的は、
修好通商条約の延期ということだけれど、
西欧文明の視察が
最もおおきな目的のひとつであったように思います。

開国の是非を判断するために、
夷荻の文明をひと目見ておこうというのです。

しかし文久二年といえば、
一月に坂下門外の変で老中首座安藤正信が負傷し、
四月には薩摩藩尊王攘夷派が島津久光によって粛正され、
八月には、恩賜休暇でオールコックが帰国した直後に、
生麦事件が発生するのです。

やがて薩英戦争が勃発しようという一触即発の時期に、
総勢三十八人の幕府使節団が、
悠々と欧州視察の旅をしているのです。

これはいったいなにを意味しているのでしょう。
幕府はすでに開国やむなしと判断していたのでしょうか。

プロイセンの兵器製造会社クルップ社が
使節団招待計画を立てているところなどをみると、
欧州諸国のあいだにも、
硝煙のただよいはじめた日本との通商には
魅力を感じるところがあったのでしょう。

使節団は、
ロンドンでの地下鉄工事などをみて、
彼我の科学文明の絶望的な差を感じたはずです。

幕末最初の訪欧使節団が、
開国への傾斜をさらに加速させたことは確かでしょう。

しかしすべての訪問先でわき起こる使節団への賛嘆の声は、
日本文化が極めて高度に洗練されていたことをうかがわせます。

********************

「○○○○○○○のためのエチュード」

連載58回

(『ヨーロッパ人の見た幕末使節団』
  鈴木建夫、P・スノードン、G・ツォーベル)

「一方、従者のもう一人は、自分の見たものを克明に記録した。

 土曜日に、一行はストランド街の時計製造業者、
 デント氏のもとを訪れ……いくつかの買い物をした。

 昨日の午前、一行はランカスターの銃砲工場を訪れ、
 非常な興味を示した。
 事実、どんなものであれ機械は一行にとつて一種の魅惑的なものであり、
 一行は展示されている機械を眺めて決して飽きることがなかった。

 ……ホテルでは……一行の驚くはどに物柔らかな挙措、礼儀正しさ……が、
 周囲の全員に強い感銘を与えた。
 ……すでに一行の多くはいくつかのよく使われる言葉や表現を聞き覚え、
 なんとか意を通じている。
 一行の大方は英和辞典をもっていて、熱心に勉強している。
 魚(時折、生)と米が、
 いつの食事でも一行の普通の食べ物の大部分である。
 〔一行は〕今ではイギリスでの生活にすっかり慣れ
 ……箸を使うのをやめていて
 ……イギリス紳士とほとんど変わらない。

 ……これからの数日に、クリッジの造兵廠、造幣局、
 イングランド銀行ほかの注目すべき場所を順次訪れる」
(5/6 英 タイムズ紙)

「昨日……クリッジの造兵廠および守備隊……急行でロンドン橋終着駅
 ……一行が訪れるということとその時間が前もってわかっていたので、
 かなりの数の地元民が一行の到着を待ち受けていた。
 群衆は、うやうやしさの籠もった好奇心をあらわにしていたが、
 一瞬たりとも粗野な振る舞いをすることはなかった。

 実際、瞠目すべき一行全体の態度は、冷静沈着で、穏やかで、控えめで
 ……どこに行っても人に尊敬の気持ちを起こさせる。
 ……随行員のうちの二人は、おびただしい量のメモをとつた。
 ……それは、見た目には速記の記号に似た、優美で流麗な文字で記され、
 真に右から左に縦に書かれ
 ……とりわけ正使の注意力は日中、衰えることがなかった。
 一行は、魔法にかかったかのごとく、
 銃砲工場のなかの作業を長いあいだ見ていた」
(5/8 英 タイムズ紙)

「日本では、この一〇年間、
 義務的な種痘が厳格に行われていて優れた効果を挙げていると述べた。

 それから一行はウイッカー・アンド・プレイズ刃物製造会社の工場に行き、
 剃刀、外科用器具等の製造過程を観察した。

 工員たちは一行の刀(いずれの紳士も二振り携えていた)を
 非常な関心をもって調べ、最上のダマスク鋼の刀身に匹敵し、
 それに似たような作りだと言った。
 ……調べた刀の一つには、
 それが二〇〇年以上経ったものであることを示す刀匠の銘があった」
(5/19 英 タイムズ紙)

「その町では人びとの関心が非常に高まった。
 列車の到着時刻が近づくにつれ、その関心は次第に高まり、
 列車が到着するずっと前から駅はかなりの数の人びとで埋まった。
 女性の数のはうが多かったが、誰もが、
 立派な外国人を一目見ようと願っていた。
 時間通り(午後五時半)、列車は蒸気を吐き出しながら駅に入ってきた。
 そして、列車を待ちかまえていた群衆は、
 好奇心の対象を目の当たりにして満足した。
 その対象の人びとは、公衆をいっそう喜ばせようとするかのように、
 特別客車に乗っていた。

 機関に給水をしていて一〇分ほど発車が遅れたので、
 その間、使節団は、『すべての観察者に観察される者』になった。
 使節と随行の知的な顔は時折、ぱっと明るくなるように見えた。
 一方、彼らの夢を見ているような目は、
 あたかも眼前の光景を楽しんでいるかのように、
 群衆の上をしきりにさ迷った。
 彼らは到着したときに盛んに拍手喝采されたが、
 出発の際には笑ってハンカチを振った。
 それは、われわれの思うに、
 ヘクサムで受けた歓迎を喜んでいるという印であろう」
(5/28 英 ニューカッスル・デイリー・ジャーナル紙)

********************

きょうはここまで。

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